wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

井上浩一『私もできる西洋史研究』

日曜日の学会も無事終わり(当日お話しできた方々、ありがとうございました)、いつものように月曜からは仕事だが相変わらず大阪市営地下鉄はひどい。何とか事なきは得たものの月曜日は3分遅れ・火曜日は5分遅れ、本日は定時運行されたが室内灯を半分消灯するという薄暗さ、関電株主総会へのアピールか知らないが全く私物化されている。前市長が黒字を宣伝しだした昨年ぐらいから遅れが目立つようになった気がするのだが、乗る回数が増えたためか、運が悪いのか、人員削減の効果なのか・・・。電車読書のほうは、疲れて寝ていた時間が長かったこともありようやく今朝読了したのが本書http://www.izumipb.co.jp/izumi/modules/bmc/detail.php?book_id=36619&prev=released。私自身大学院で半期のみ学んだことがある著者による、「仮想大学」における1年生前期の「初年次セミナー」から4年生の「卒業論文演習」までの8科目を通じて西洋史を修得していく過程を記したもの。それぞれの事例は大変学ぶことが多く、理想的な大学での歴史教育論。最終講義で知ったことだが、著者は教育実践でも大きな役割を果たし、本書末尾に引用されている「レポート作成の手引き」・「初年次セミナーへの招待」などは全学テキストになっているらしい(未見)。本書に記されているのもそうした実践例をもとにしたもので、非常に高度な内容を学生に求めそれに応えて学生が勉強している姿はうらやましい限り。今の状況では夢の又夢というところだが、理想は失わないようにしたいところ。なお出版社のHPにも一部史料が上げられているが、省略があるのは少し残念。