wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

花筐

本日は六甲台。来年度の出講はないので当分行く予定はなかったはずなのだが、試験の際にバタバタしていて源泉徴収票を持ち帰るのを忘れてしまっていたため出かけたもの。せっかくなので図書館でいろいろ調べ物をしていたところ、いろいろ成果も上がり、ちょうどよい時間になったこともあって、表題の映画を鑑賞http://hanagatami-movie.jp/。TVの監督特集でいくつかのシーンを見たため少し気になっており、本日で大阪は最終日。その番組によると国民学校時代初年時に無邪気に戦争画を描いていたという監督は、空襲と引き揚げてきた軍医だった父親の様子から非戦(「反戦」などという大きな声ではなく)の想いを抱いていたといい、ガンと闘う中でそれをそのまま映像にしたもの。唐津映画製作委員会という枠組みから舞台は唐津に設定され、唐津くんちが印象的に使われ、名護屋城跡で秀吉の朝鮮出兵が対外戦争の先例として語られているが、現実を意識した物語ではなく、あえて架空の大学予科に通う若者たちのデカダンなファンタジーとし、映像はエロティックで死を意識した生が描かれる。最後がだらだらしすぎな印象は受けたが、終わりを41年12月8日設定したことで、ある種の「意識高い系」の人々の気分を描いているのは、宮崎駿風立ちぬ」とも共通するものを感じた。それにしてもこの社会はどのような破局を迎えるのだろうか。