wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

『びわこ水中考古学の世界』

以前、天王寺の古本屋で『毛吹草』とともに、値段につられて(といっても投げ売り価格ではない)購入して積んであったもので、金・月で読了。出版は今年1月で、昨年行われた一般向けのシンポジウムと市民講座を活字化したもの。琵琶湖の環境史・水位変動は研究が進んだ分野で、それに関わる議論を知ることができるかと思ったが、その点は軽く触れるだけ(何しろ、水中遺跡がなぜ出現したかについても所説が紹介されるだけで、踏み込まないというお役所仕事)。その上に前半と後半でほぼ同じ滋賀県における水中考古学の展開に関する概略が述べられている。一冊の本にまとめているのだから、もう少し整理して欲しいところ。なお最後に湖底遺跡の概要が一覧にして示されており、その点は有益http://www.sunrise-pub.co.jp/isbn978-4-88325-409-5。プリンターが故障したため大学で印刷しようとしたが、一太郎をワード変換したものは全く役に立たない。しかも非常勤先のPCにはワードしかインストールされておらず、今週金曜日と来週火曜日分の目途が立っていない。互換性のない原因であるルビを外すと不親切になるし、何とか対策が必要だ。水曜日の非常勤先に一太郎があればよいのだが・・・。
追記 「お役所仕事」としたが文化行政の圧縮で圧倒的支持を得ている滋賀県知事の下で、組織存続のためにまとめた仕事として同情の余地はあるのかもしれない。