wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

「盆唄」

本日はルーティン姫路。ところがちょっと信じられないミスをしてしまい、朝から呆然。何とか廻りの方々にフォローいただいたとはいえ、情けない限り。気分を持ち直すというわけではないが、帰路は表題の映画を鑑賞www.bitters.co.jp/bon-uta/。開始30分前に到着してチケットを購入したところ、金曜夜で1100円にもかかわらず二人目。牛丼を食べて戻り予告編が始まってもやはり二人。いわゆる3.11ものだが、ここまで風化したということには慄然とさせられる。ただし内容は基本ドキュメンタリーで、映画としてもよくできたつくり。双葉町の盆唄伝承者グループをベースに、ハワイで独自の展開を遂げている「フクシマ・オンド」、富山砺波のチョンガレ節をたどり、天明飢饉後の前田領からの移民(以前に茨城のサマーセミナーで聞いた、そちらでは別個に村をつくったようだが、相馬では個別の流入で差別があったと語られる)、明治のハワイ移民、3.11後の帰還困難区域を重ね合わせる構成はなかなかのもので、何気ない言葉からそれが伝わってくる。協力者に赤坂憲雄の名前があり、いろいろ練られたものであることがわかる。それに加えて主役として扱われている電気工事会社の社長がなにげにすごい人。50年後にハワイから双葉に盆唄が逆輸入されることを願いつつ、精力的に活動しており感心させられる。201から17年までかけて撮影したものだが、全て説明することなく観客に想像させる作品になっており、もう少し話題になってもいいもの。