wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

「マルクス・エンゲルス」

土曜日は国会図書館で雑誌めくり、ある程度の成果は上がったが、とんでもないところに踏み込んでしまったようだ。日曜日は学会、少しだけ本を買い、何となく発言までしてしまった(結局意図は伝わらなかったorはぐらかされてしまったようだ)。そんな中、土曜日の夜は神保町で映画鑑賞http://www.hark3.com/marx/。まずエンゲルス父経営の綿工場を初めとして、セット?がリアルで、やせてみすぼらしい衣服の労働者と太ったおしゃれな資本家のコントラストも鮮やか、手回しの機械・煙突から出る煙を含め、どうやって造ったのだろうか。またフランス語を共通語としながらドイツ語・英語が飛び交う状況もなかなか興味深いところ。中身は尖った何も何遂げていない革命家の卵(もしくは本が書けると思っている院生)といった様相で、いかにも夜郎自大なさもありなんという状況だが、意図的にデフォルメされているのがマルクスの妻イェーニーとエンゲルスの妻?。二人の男たち以上の肝の据わり方は最高で、しかも子どもの有無で対比的に描かれている。ネタバレになるが「共産党宣言」は四人の合作というぶっ飛んだ結末(どういうわけか翻訳での「妖怪」が「幽霊」と字幕で記されていたが)。そういう意味では今だからこそできる作品。なお原題は英語では「THE YOUNG KARL MARX」で、邦題は日本でのエンゲルス評価を反映したものか。