wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

東京国立博物館「春日大社 千年の至宝」

火・水は某研究費をいただいて東大で史料調査。せっかくの機会だったので表題の展覧会を観覧http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=18149:30頃に上野駅に着いたがすでに多くの人がおり、何れの展示ケースも人だかりにはなっていたが、何とかそれなりに熟覧することができた。曼荼羅・神宝類・仏像など盛りだくさんだったが、なかでも驚いたのが「春日権現絵巻」の近世の写本類。本体の40cm以上という紙の高さも圧巻だったが、春日本・陽明文庫本・徳川美術館本・紀州本・帝室博物館本など多種が揃えられている。なかには余り見覚えのない場面もあり、武士の鎧の下の着物も鮮やかだったが、残念ながら原本がパネルでも示されておらず、忠実な模写なのか、近世絵師の独創なのか判断することができなかった(作事場面の一つに「乞食」が描かれているのをこれまで全く見落としており、自宅で原本を確認)。また九条家延喜式の紙質、九条家玉葉の小ささ、花園天皇日記の大きさなどいろいろ勉強になった。なお展示パネルは作品名とともに、博物館側でつけたキャッチ・フレーズが付けられており、作品の解説的なものとともに、大鎧の「鮮烈な赤と黄金のコントラスト」など、「世界陸上」的なあおりもみられた。これから他でもそうなっていくのだろうか。またTwitterでみて驚いたのだが、常設展示の一部は写真撮影がOKになっていた。当方も絵巻を取らせてもらいありがたかったのだが、これも他の施設に影響を与えることになると思われる。12:00ごろに館を出で東大まで歩いたのだが、道を間違い千駄木まで行ってしまったため、一時間近くかかった(東大の中でも結構迷った)。あい変わらずの方向音痴だが、谷中千と呼ばれる地域の雰囲気と、谷地形の多さは実感することができた(東大内にもあったのを初めて知った)。写真は横須賀曹源寺の十二神将立像だが、かなりピンぼけ(基本は旅先でつくったのでフォントがづれています)
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