wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

宮田律『オリエント世界はなぜ崩壊したか』

本日も姫路。行き帰りの相当部分は寝ているのだがそれでも少しは電車読書が進み、後期の講義に向けて衝動買いした表題書を読了。余り期待せずに復習のつもりで購入したのだが、19世紀末から冷戦期までの叙述が非常に充実。第一次大戦期のイギリスの「三枚舌外交」には触れてきたが、フランスもかなりひどいことをしている状況や、イランという名称がナチス・ドイツとの提携期の「アーリア」から来たこと(もちろんその前に英露の分割対象になっていたという反動があるのだが)、ロレンス・「ナチスのロレンス」ことニーダーマイヤーの諜報活動、オリエンタリズム批判で知られるサイードのライフ・ストーリーなど初めて知ることも多く、第二次大戦後のアメリカの中東政策のひどさも改めて確認することができた。著者はイスラムが根底に持っている「寛容」の重要さを説くが、懲りないフランスの政策を見ても状況はかなり危うい。やはり欧米のこの地域への介入のひどさは、大日本帝国がかわいく見えてくるレベルで、火中の栗を拾おうとする人々は全く理解できないhttp://www.shinchosha.co.jp/book/603790/。この職場に週二日通うようになって四ヶ月が経った。一匹狼的な非常勤講師暮らし(職員室がある中・高でも似たようなもの)とは全く違う、異なる職種・職階の人々が机を並べる経験は初めてで(受付・警備・設備の方々は別でほぼ接点はない)、こんな人々がいてこんなことになっているのかと驚くことが多かった。そんななか同僚として働いてきた女性が97歳の母親の介護のため、今月後半から欠勤が続き退職されてしまった。昨年度から外部研究員として出入りしていたため書類をもってくる方として顔は存じ上げていたが、、一緒に働いてみると雑用から将来見通しまであらゆることに目配りができる方。図書館の課長職で退職され来られたということがだが、均等法以前からいろいろな経験をされてきたのだろうと思われ、若い女性職員への接し方も非常に暖かかった。もう少し色々学ばせてもらいたかったのだが非常に残念。