wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

宍粟市たたら製鉄遺跡群

本日はルーティンの5:30起床だったが、通常の姫路ではなく、出張扱いで7:00発の高速バスに乗り宍粟市へ。地元の教育委員会のご案内で、専門研究員の方々とともに、たたら製鉄遺跡群の実地調査を行う。表面観察できるのは近世のものだけだったが、小河川の合流点に近接する人工的な平場という立地環境、金糞などの遺物の見方、たたら流しの痕跡である溝跡へ砂山など、遺跡の特徴についていろいろレクチャーを受けることができた。遺跡群は揖保川千種川の最上流に位置し、赤西・鷹巣・公文といった特徴的な地名や、小椋姓を名乗る木地師の村、金山神社を祀るたたら場を継承する集落など、いろいろと勉強になった。発掘調査では中世にさかのぼるものも見つかっているようだが、三方杣としての山林資源伐採・たたら・炭焼き・製紙(三椏が遺跡に自生しておりかつて栽培されていた可能性がある)など、多様な山の生業を歴史的に考えていく必要があると感じた(完全に某氏の受け売りだが…)。途中から雨が本降りになったのは残念だったが、いろいろと勉強になった。ご教示いただいた方々に感謝申し上げます。写真左は、表面採取した金糞。次が集落が残る音水金山神社。その右は中央街路を挟んで石積みの遺構が壇上に並ぶ荒尾遺跡。右端は小規模遺跡で見つけた山菜類。源流ではアマゴも採れるようで、貧しくても飢えない山の生活を想像させてくれる。そのなかで現金収入としてのたたらの問題を考える必要があると感じたイメージ 1イメージ 2イメージ 3イメージ 4