wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

「関西大学なにわ大阪研究センター開設記念展」

本日は大教室大阪史と史料講読。何れも登録人数は初回より減少していたが、休み時間10分で山の下から上へ移動し、しかも異なる内容となると、かなり体力的には消耗し、寄る年波を感じる。しかも天気予報と異なり雨に降られてしまい散々だったが、事前に印刷で動き回っている途中で、博物館の隣に展示スペースが開かれていることに気づくhttp://www.kansai-u.ac.jp/naniwa-osaka/archives/2016-04-04-10-55.html。どうも前年まであった大阪都市遺産研究センターhttp://www.kansai-u.ac.jp/naniwa-osaka/osaka-toshi/index.htmlの改組に伴い特別公開されることになったようだ。講義のこともあって入ってみると、案内の方がおられ色々とレクチャーしていただくことができた。①「浪花名所図屏風」。近年入手したという近世後期の屏風。左隻が大坂城から四天王寺、右隻が住吉中心で、やたらと寺社が多数描かれているのが特徴。いろいろお伺いしたのだが、どうも全部は比定されていないようで、作成目的も含めて今後の課題になるようだ。②阪本龍門文庫蔵「住吉潮干図」(複製)。住吉如慶(1599~1670)作で冒頭部分のみが展示されていたが、奈良女子大学が関与したHPで全部の閲覧が可能http://mahoroba.lib.nara-wu.ac.jp/y05/sumiyoshi/index.html道頓堀川から堺に至る光景を描いたものとしてはもっとも古い部類に入るもので、四天王寺西端の寺院群、住吉周辺、安立から堺の町への道と港など、なかなか興味深い。③中村儀右衛門資料。大阪の劇場の棟梁大工(1852~1922)旧蔵の一括資料で、指図・大道具町などが残されている。中井家などは著名だが、中村は代々続く大工棟梁の家の出身ではないようで、大都市のなかでこの時期のものが残されているというのは非常に興味深い。本日閲覧の時点では旧組織のHPに画像などが存在、④山田伸吉資料。近代大阪の芝居画家の作品。油彩や「カプリー島物語」という説明によるとはっきりわからない舞台の絵もあった。映画の看板絵描きの前身かとも思ったが、作品は何れも手ぬぐいぐらいの長方形で非常に小さく、どういう用途で用いられたのかよくわからなかった。版木もあったので上得意に配るなどされていたようにも思えるのだが…。やはり現物を見るのはいろいろと面白い。いろいろご教示いただきありがとうございました。それにしてもまだ地震は収束していないようで、熟睡すらできない間隔にみえる。とにかく安穏を祈るばかり。