wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

「中世淡路島南部をめぐる海域世界と交通」

『「鳴門の渦潮」と淡路島の文化遺産』「鳴門の渦潮」調査研究プロジェクト実行委員会、2023年2月刊、39~49頁に掲載。昨日出勤した際に現物をいただく。「鳴門海峡の渦潮」世界遺産登録推進協議会の事業の一環。拙稿は文学作品、とりわけ『太平記』第18巻11にみえる渦潮説話から海域世界を抽出し、室町・戦国期に沼島で活動していたらしい(一次史料はゼロ)梶原氏について近世地誌などから検討、「兵庫北関入船納帳」「雑船納帳」から淡路の湊の特質を述べたもの。あらゆる史料をつぎはぎして、何となく海域世界ふうには仕立てた。それだけでは渦潮からはズレるので、「(補論)羽柴秀長鳴門海峡渡海と渦潮」(同書50頁)で史料の概要を示し、資料編として掲載されている年表の中世部分も担当。いろいろ現地に行かせていただいたのはよかったが、原稿が10・11月の慌ただしい時期と重なり結構しんどかった仕事。中世関連としては、福家清司「源平合戦淡路国の武士」・山上雅弘「阿波・淡路の水軍と城郭(海城)」も掲載。関係者には何れお送りすることになるかと思いますが、ひょうご歴史研究室の事業として、3月中にはHPにも掲載予定とのこと。