wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

鵜飼秀徳『仏教の大東亜戦争』

本日は岡本2・4限。2限は始業時は前回欠席した一人のみであせったが、すぐに三人になり一安心・・・。空き時間は届いていた学術雑誌にあて、電車で昨日の読みさしの表題書を読了。何となく書店で見かけ衝動買いしていたもの。タイトルは「仏教界と戦争との関わり」を意識してつけられたもので、中身は廃仏毀釈島地黙雷の巻き返し(周防出身で長州閥との人脈あったというのは初めて知った)、日清・日露戦争への協力と外地への進出、「真俗二諦」「皇道仏教」「一殺多生」などの教学、軍用機の献納、4万以上の梵鐘の供出、都市での空襲被害、農地改革まで、近代史を通じての仏教が国策に翻弄・追随していった状況をたどったもの。それぞれのデータが整理され、四天王寺献金で四天王の名前をつけた軍用機があったこと、増上寺など東京の寺院が空襲で壊滅したこと、奈良で受刑者を動員した仏像疎開があったことなど、いろいろ勉強になった。著者は京都の浄土宗寺院に生まれ、成城大学を卒業してジャーナリストを経験した後に住職を継いだとという経歴。最後は3人の僧侶の戦争体験で締めくくられ、「恒久平和」への願いが込められた良書。

文春新書『仏教の大東亜戦争』鵜飼秀徳 | 新書 - 文藝春秋BOOKS