wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

中北浩爾『日本共産党』

本日は公務出張。目的は別にあったのだが、姫路南部は秋祭りの直前で、神幸路に面した家全てに紐が張られているのに驚く。すっかり涼しくなったとはいえ、スマホで3万歩は疲れたが、電車読書の備忘を簡単に。刊行時に衝動買いしていたがようやく手をつけたもの。あとがきによると、日本政治外交史を専門とする著者は、日本共産党が政権をめぐる権力ゲームから距離を置いていたため、視野に入らなかったが、2015年以後の野党共闘の動きに限界が存在すると考え、2019年から勉強をはじめ書き上げたとのこと。それでよくこれだけまとめられたものとは感心するところで(引用文献に著者の勤務する一橋大学2020年修士論文が含まれる)、講座論文を1本読んだきりだったが優秀な方なのだと思う。ただ近年の政治学はそういうものなのだろうが、党内および他政党を当為としてその間の政治ゲームで説明する手法はどうもついていけない。最終的には、安全保障関連法の廃止にせよ、辺野古新基地建設の中止にせよ、日米同盟を堅持するのであれば、アメリカの反対を一方的に押し切ることは不可能という結論になる。

もう一つの選択肢として、ヨーロッパの急進左派政党への道が記されているとはいえ(こちらは外交政策には触れられていない)、結局は現状肯定で、「ひろゆき」もこれで理論武装すればよかったのかもしれない。

日本共産党 -中北浩爾 著|新書|中央公論新社