wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

渡辺尚志『百姓たちの水資源戦争』

本日はルーティン姫路(といっても先週は公務出張扱いになったので2週間ぶり)。久しぶりのデスクワークを終えて帰路も、JRが事故で10分遅れ。駅からのパラパラ雨に折りたたみ傘をささず濡れながらスーパーへ。この時間の楽しみおつとめ品の刺身を購入して外を見ると土砂降りに。傷ますわけにいかないので帰宅したが今度は傘が役に立たず2分で靴からびしょ濡れに。結局は10分遅れが命取りになった。そんななか電車読書は、刊行は2月だが5月ごろに購入した表題書。最初に一般的な説明があった後に、著者が藤井寺市史で扱ったという(意外だが、トップは佐々木潤之介氏だったとのことで、なぜ関西ではなく一橋だったのか謎)、古市郡で石川から取水しため池とあわせて計8ヶ村に関わる玉水樋組合の17世紀から明治までの水論の推移を紹介したもの。もともと最上流部の誉田八幡宮の宗教的影響力があった17世紀から、惣百姓による村が主体となる18世紀、それぞれの百姓成り立ちを主張する村々と裁許主体、大和川付け替え、綿作の広がり、天皇陵指定によるため池利用の変化(漁業の禁止など)、地租改正・所有権の絶対性など近代法の影響、社会・政治の変化が水論の展開にどのような影響を与えたのかが示されわかりやすい。なお文久の修陵について、宇都宮藩が単独でおこなったという説明は2014年刊行の原著を文庫本化する時に異論が出なかったのだろうか?

【文庫】百姓たちの水資源戦争 | 草思社 

結局、自治体史史料編の校正は本日到着。いまにして思えば論文にとりかかる時間があったのだがせんないこと。ダラダラと過ごしたツケでこれからは地獄。