wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

「犬王」

本日の中百舌鳥1限の帰路に観覧。シネコンのなかではキャパが小さく(150席ぐらい)、サービスデーだったこともあり、中年女性主体でほぼ満杯。壇ノ浦で宝剣を拾い上げて盲目となった琵琶法師と、異形で生まれた猿楽師のコラボによる室町ロック・ミュージカルから、予想外の結末にというストーリー。歴史考証的な目でみると、京町家に二階屋が、尊氏の墓所という宝篋印塔の形式が変、芸能の場が六条河原とされるのに橋が存在(せっかく中島まで描いているのだから五条でよかったはずだが、歌詞の文字数の問題か)、室町殿らしきものが平安京大内裏のような位置に配置、クライマックスが義満の北山殿なのだが出家していないといった点。物語的には発端から途中の南北朝合一のため必要とされていた宝剣がフェードアウトしてしまったようにみえた。なお琵琶のロックギター的な扱いだが、宇佐で修正会の日に門付けに訪れ酒宴で演奏する琵琶法師は「よみがえる新日本紀行」では縦びきしており、それはそれでありかもしれない。ただ帰宅して自転車で買い物に出かけ通り雨にあったのは、なにかの罰当たりか。

劇場アニメーション『犬王』