wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

MINAMATA

本日はルーティン姫路。午後三時間休をとり、表題の映画を観覧。舞台が水俣だけで完結しチッソ社長まで水俣にいる、原因究明にあたった現地医師や世に広げた人々が全く登場しない、ユージン・スミスの写真のライフ誌掲載が決定打のように描かれているなど批判が多く迷ったのだが、確認のため観覧。たしかに撮影は東欧らしくエキストラが多数動員されているわけではないので(子役は現地採用にみえる)、極小の漁村とチッソ工場だけで話が進められ、都市としての水俣の複雑性は読み取れない。ただ日本人俳優は基本的には日本語もしくは方言を使っていて好演、とりわけ美波のアイリーンはイメージできる。また記録映像・写真から映像をつくるという手法も興味深く、胎児性小児麻痺の患者の造形?は非常にリアル。裁判勝訴のあともエンディングで問題が解決していないこともちゃんと説明されている。日本国内からこのような映画をつくるという発想は生まれそうもないので、それなりに評価できると感じた。ただ世界的にはどれぐらい上映されるのかは気になるところ。

映画『MINAMATA―ミナマター』公式サイト

こんなことを書いていると余裕に見えるが、完全に火の車。遠隔授業が始まり、とくに火曜日500人弱の評価は水曜日ほぼまるまるを費やすことに。その上に報告めいたものが11月初旬まで三つ。秋の博物館・美術館はほとんど行けそうにない。