wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

新本屋もAMAZONも

その後、新本屋によっていくつかの新刊を購入し(品揃えは半減、一段の棚に数冊横に並べただけのものも)、大阪駅周辺の人混みを抜けて帰宅。郵便受けを確認すると本日到着すると思っていた本が届いていない。改めて確認すると最初の発注で止まっている体たらく。代替ゼミでは一巡目はこちらが指定、二巡目は受講者の選択した文献を輪読している。そのため書名を知らせてもらい、こちらでコピーをとって配布することになり、自宅にない本は購入せざるを得なくなる。しかも二週間前の約束が守られず、今回もメールを確認できたのは金曜朝の通勤電車内のスマホ。あわてて検索して在庫ありと出たので注文したら上記の次第。キャンセルは可能だったため別サイトで取り置き予約をして、本日通った新本屋で明日授業前に受け取る羽目に。ひたすら徒労感(しかも最初に無理だといっているのに軍師)。せっかくなので、こんな授業を持たなければ読まなかった本を紹介。久保田正志『日本の軍事革命』。著者は職業不詳(特定非営利活動法人城塞史跡協会理事長、あとがきに「某国家試験の前日」とあるので士業ヵ)、東大戦史研究会第三代会長、最終学歴は東大政治学修士、学位請求は新田一郎氏。ヨーロッパにおける一斉射撃戦術を採る銃兵、兵力の急激な膨張、要塞攻城砲の発達といった軍事革命、戦費調達に起因する財政制度の発達による「軍事財政国家」の出現という議論を日本で検証したもの。馬の貧弱さによる騎兵が脅威にならず銃は一斉砲撃ではなく狙撃重視、馬の牽引力の弱さから大砲は発達せず、山城から大規模な堀で囲繞しても「腰高」な構造は維持、兵農分離は余剰兵員の解雇、戦乱の終息・軍の縮小によりヨーロッパのような「軍事財政国家」へ転換する必要はなかったという議論。藤木久志高木昭作らの議論を前提とするものだが、近年の研究との関係はどうなるのだろうか。

日本の軍事革命 | 株式会社 錦正社