本日はルーティン姫路、昨日と比べるとかなり人出は減った感覚、こちらも出勤半減が奨励されており、当方も来週は在宅。またまた回数券の消化を危惧する状況に、例の問題も含めて落ち着かない日々が続く。それでも電車読書はこの二日で進み、衝動買いしていた表題書を読了。いわゆるコロナ本で、編者は造事務所という見慣れないところだが、植民地インド史の感染症研究者として知られる脇村孝平氏が監修者だったため、目にとまったもの。ペスト・インフルエンザ・コレラ・マラリア・赤痢・結核・天然痘・黄熱・チフス・梅毒が取り上げられ、発生・拡大・日本との関わり・現状がまとめられており、わかりやすい。とりわけモンゴル・「新大陸」発見・植民地化・世界大戦といったグローバル・ヒストリーとの関係について重点が置かれており、先になるが来年度のシラバスには参考文献(いちおう図書館が購入してくれることになる)に取り上げたい。なお梅毒は14世紀のオーストリアの人骨から発見されたことにより、アメリカ大陸起源説より太古存在説が有力になっているとのこと。「コロンの交換」の眉唾と思っていた感覚は間違っていなかったようで、フッガー家が偽薬を販売する過程で流布したらしい。星新一がマラリア特効薬キニーネを台湾統治にあわせて生産して利益を上げた星製薬の二代目社長だったというのも初めて知った(経営悪化で大谷家に譲渡した後に創作活動に転じたらしい)。