wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

沼島と南あわじ

本日、車に同乗させてもらい踏査。問題関心は公務と関わっているが今回は休日の私費旅行。神戸淡路鳴門自動車道西淡三原インターから地道で土生へ向かい、そこから渡船で約10分。北側の港周辺に4つの寺院・3つの檀尻(北・中・南の3区、近世は傍示、区長に対して平役員は帳元と呼称)をもつ漁村。それ以外はほとんど山林(1960年代の航空写真では一面が段々畑)で、30分ほど歩くと南側の断崖上に出る。直下には国生み神話の天の沼矛・天の御柱のモデルともいわれる上立神岩があり、遙か南に紀伊日ノ御碕・阿波椿泊と伊島を臨むことができる紀伊水道内海世界の要衝で、広範な漁業権を有している。港正面に位置する沼島八幡宮は永享八年梶原景俊による創建という由緒があるが、文書史料でははっきりしない。とはいえ現地に立つとその重要性は実感できる。本島に戻り、松帆銅鐸が一般公開されている南あわじ市瀧川記念美術館玉青館南あわじ市滝川記念美術館 玉青館 - 南あわじ市ホームページ、暦応の銘をもつ丈六の釈迦如来像を本尊とする淡路国分寺、その銘にも登場し淡路守護細川氏が保護したという成相寺細川氏館とされる養宜館なども訪れ充実した巡検となった。

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上立神岩(微かにみえるのは和歌山県

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梶原景時