wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

古矢旬『グローバル時代のアメリカ』

本日は組合委員会のため街へ。人出はかなりなもので、対面授業のために購入した回数券が消化できることを願うばかり。春は2月に購入した分について払い戻しに莫大な手数料をとられ大損。週一ではそれ以外に安く済ませる方法もなく、電子化っておいしいのという世界の住人。そんなわけで表題書をようやく読了。これまで購入してきたアメリカ合衆国史の最終巻で、1973年(ベトナム撤退・変動相場制移行・石油危機)からトランプ政権の2020年初頭までを描いたもの。経済のグローバル化レーガン時代に本格的に導入された新自由主義・ポスト市民権運動から展開する多文化主義という三つのトレンドの進行と矛盾の拡大、それが二大政党の政策に与えた影響について、一貫した流れとして説明されており非常に鮮やか。個別のニュースとしてはほとんど既知のものだが、非常に勉強になり、もともと時代の転換期にさしかかっていたタイミングでコロナ禍を迎えたことがよくわかる。オンデマンドから対面と方針が急転換し、しかも配慮申請者との間でシラバスの整合性を持たせよという指示もあり、10分のペーパー作成時間を削って講義時間が増えることになりそう。今年こそはこの30年を歴史として取り上げなければならない。

グローバル時代のアメリカ 冷戦時代から21世紀 - 岩波書店