wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

一ノ瀬俊也『特攻隊員の現実』

居候先は休館がすでに発表されているが、本日段階で職員は出勤(変な批判がネットでおきていたが、阪神間は同じ時期に休校が決まっていたはずで、範囲の見極めに時間がかかったのだろう。結局但馬のみ通常)。そういうわけで1月に購入していた表題書をようやく読了。ネットオークションを渉猟する著者ならではの史料収集によって、隊員個々の心の機微を描き出しながら、「新兵器」開発の代替として選択された特攻が、アメリカは民主主義だから死者が増えると厭戦になるという一撃講和論のもと、ずるずると引きずられ、「新兵器」原爆によって幕が引かれ、あげくに精神論の象徴として見捨てられるまでの、昭和天皇から一般庶民までの「空気」がよく示されていて興味深く、講義でも実用的。

『特攻隊員の現実』(一ノ瀬 俊也):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部

それにしても某大学は本日になって再来週からの遠隔授業をHPで公表、どこでも説明会はあっても平日の一回のみで後はビデオ、同時並行の強制、機材は無支給。これで非常勤に丸投げという絶望的状況。まさに最末期の特攻隊員のようなもの・・・。専任志願兵段階でやめてくれればよいのだが。