wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

後藤健太『アジア経済とは何か』

本日はルーティン姫路、雨のため六時起きだったものの電車はすべて座れ爆睡。ただ午後は猛烈な睡魔に襲われヘロヘロに。そんな中で帰路にようやく読了したのが表題書。来週の講義で取り上げる70~00年代史のために衝動買いしたもの。第二次大戦後から今日までのアジア経済の動向を、90年代前半までの日本経済を中核とした雁行形態、繊維産業から順に展開するフルセット生産から分業型のグローバル・バリューチェーンによる生産体制への移行、2000年代の汎用部品の組み立てによるモジュール化による台湾・韓国・中国企業の躍進という動向を示したもの。そのなかで「選ぶ日本」から「選ばれる日本」になったとはいえ、多様性を受け入れることで暗黙知などの蓄積を活かしてともに未来を築いていくべきだとする。やや楽観的な印象も受けるが、技術の変化と経済構造をあわせて説明している点はいろいろ興味深いところ。講義に直接的に利用はできないが、ある種の下支えにはなった。

アジア経済とは何か-躍進のダイナミズムと日本の活路 (中公新書)