wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

釜井俊孝『埋もれた都の防災学』

本日は枚方3コマ。昨年より観光客は減少し電車は楽になったが、やはりぐったりして帰宅。ただそんな中でも遅まきながら気づいて衝動買いした2016年刊行の表題書を読了。著者は院で地盤工学を専攻しコンサルタント会社の技師を務めた後に、通産省工業技術院・地質調査所を経て、大学に移ったという経歴で地すべりの専門家らしい。最初にローマの遺跡を取り上げ、古墳、琵琶湖湖底遺跡、京都周辺の山崩れ、天井川の歴史、豊臣城郭の堀跡の地盤、近現代における斜面災害について紹介。一つ一つの項目が簡単すぎるきらいはあるが、当該分野の方法はわかりやすく示されている。とりわけ北河内・南山城・近江などでは13世紀ごろから天井川の形成が始まっていることが明確にされているのは重要。埋もれた都の防災学: 都市と地盤災害の2000年 (学術選書)

史上最悪の忘れ物は回収されていたことが判明。着払いで送っていただく手配をしたため中身が失われていないことを願うばかり。