wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

京都国立博物館

本日午後は、非常勤先で甲斐恵林寺展で夢窓疎石像・信玄書状などを観覧。本来なら来週報告のために史料閲覧を続けなければならないのだが、河原町丸太町を乗り過ごして13日で企画展示第一期が終わる京都国立博物館に向かうhttp://www.kyohaku.go.jp/jp/index.html。中は平日とは思えない大盛況で展示も多かったため、はしょりながら観覧。圧巻は伝源頼朝像をはじめとする大判の肖像画10点が並べられている部屋で、改めて体感するとともに泉湧寺俊芿像が等身大であったことを初めて知る。瓢鮎図に賛があったことも意識していなかったし、法然上人絵伝の四天王寺鳥居についても頭から抜け落ちていたようだ。60分程度で駆け抜けたので熟覧というにはほど遠かったが、続いて特別展示「国宝鳥獣戯画高山寺」へ。最初に50分待ちとあり少しは空いているかと思ったがほとんど増減なし。ここまで混んでいる特展ははじめて。見ずに帰ろうとも思ったが大枚1200円をはたいて購入したチケット(企画展示だけなら300円で手に入った)を無駄にするのもどうかと思ったので、少し並んでみた。当然ながら隣の人との「運命の出会い」もなく、『本郷』を読んでいると25分ぐらいで中に入れた。これまた意識していなかったのだが、宋から到来した高山寺蔵の経典・典籍が多数展示されていた。最近の研究をちゃんと読んでいないのだが、対外関係史ではどのように位置づけられているのだろうか。また華厳宗のなかで新羅僧がかなり高く評価されている点も驚きで、朝鮮観の研究の中での評価が気になるところ。なお途中の「鳥獣人物戯画」甲巻部分は別に入場規制がかかっておりそれはワープして次にすすみ、乙巻部分以下をみたが、最後に驚いたのが鎌倉期とされる鹿・馬・犬像などが展示されていたことで、あまり類例を知らないのは当方が無知なだけなのだろうか。これまた駆け足だったが、やはり見ておく価値はあった。