wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

今野真二『日本語の近代』

本日表題書を読了。先日紹介した著者のもので、月曜日の講義構想とも関わるもの。前近代に進んだ和漢の語句の結びつきに近代になって洋が加わったが、小学校国定教科書から漢字制限がすすむことで和洋となり、戦後の当用漢字・常用漢字では音訓に制限が加えられることで、「待」に「まつ」しか訓がないため、「歓待」が「よろこびもてなすこと」という意味が理解されなくなっていることを述べたもの。構想そのものは分かるのだが「洋」の意味がはっきりしない、また事例として教科書的例文集と文学のみがあげられるが、近世からの変化という点では古文書の候文から公文書への文体変化の問題、口語体の成立という問題を入れなければ片手落ちではないか。また前著と異なり、字数稼ぎをしているのではと言うもったいぶった書き方が目についた。やはりこのペースで書き続けるのは無理があるのではないかhttp://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480067678/。本日非常勤先の図書館でようやく先々月に刊行された史料集を借り出す。実は一昨年に京都の史料読みで確認したのだが、やはり見落としていたものがあった。これで延び延びになっている投稿論文を完成させなければならないのだが・・・。先週末は絶不調で、当て物書類すら書けなかった。外へ出ると少しはやる気になるので、自宅に引きこもらずに図書館にでも行くべきか。