wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

藻谷浩介・NHK広島取材班『里山資本主義』

本日は京都で授業の後、夕方から組合の団交。この間のW大をはじめとするブラック政策・中小の相次ぐ雇い止めの嵐と異なり、労働契約法に関して前向きの回答が示される。大阪・東京の直近の情勢と合わせて状況が反転する契機となればよいのだが。12月の組合委員会の前に立ち寄った書店で手ぶらで帰るのもどうかと衝動買いしてしまった本書も、昨今の経済政策の転換の展望を示したものhttp://www.kadokawa.co.jp/sp/201307-04/岡山県真庭市(もとの真庭郡)の木材加工工場は細かく切った板を貼り合わせて強い耐熱性を持つ集成材の生産で競争力を持つとともに、その際に生じる木くずを燃料とすることで一般家庭2000世帯分の発電が行われており、オーストリアではこれが国家プロジェクトとして推進され、木造高層ビルも建設されているという。著者らはこれを外部から購入する化石燃料原発に依存するマネー資本主義に対して、地域内で自給可能な里山資本主義と呼び、中央流通ルートに乗らない規格外野菜類の福祉施設での利用などのサブシステムとあわせて、貨幣換算できない物々交換・過度の分業ではなく総合化こそが目指されるべきだという。また都市からの若者の移住も始まっており、実は日本の大企業も分散化してエネルギー消費を減らした「スマート・シティ」を海外に売り込むことを戦略としているという。その真逆の20世紀型マッチョな政策を推進しているのが安倍政権で、破綻への厳しい警鐘を鳴らすとともに、里山資本主義こそ明るい高齢化社会をうみだし、安心の論理を生むことで少子化を解決させる道だという。メインの著者はアメリカ留学経験のあるシンクタンク研究員だということで、地道な地域の取材成果と合わせて説得力のあるものになっている。国会情勢だけを見ていると自らが余りにも少数派に感じ無力感が否めないが、こういう本をみると非常に励まされる。老後は田舎暮らしをするのだが昔からあこがれなのだが・・・。