wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

近江多賀

本日は研究会のため7時過ぎに家を出て地下鉄・JR・近江鉄道を乗り継いで多賀へ。集合時間より一本遅れながら運良く研究会の始まりに滑り込むことができ、三本の報告で概要を把握。続いて多賀大社周辺をしばらく散策し、参詣曼荼羅に描かれた建物群を確認して廻る。実見はできなかったが天文年間の銘のある巨大な梵鐘があるらしい。神社は特別な行事がないにもかかわらず参拝客が列をなしており、屋台まで出ていて土産物屋も賑わっていた。どうも今週末までが正月期間になっているようで、明治の廃仏で移された本地仏・掛仏を納める真如寺も特別拝観となっており実見することができた。午後は名神高速とサービスエリアのため大半の院坊が下敷きになってしまった敏満寺の見学。現地の方の案内で本来は入れないところもみることができ、残された院坊の土塁・井戸などを確認することができたが、調査された城郭はドックランに変えられ、参道も消滅してしまったのは残念な限り。山道を案内されてたどりついたのが石仏谷遺跡。全く知らなかったが地表面に石造物が転がる大墳墓群で、推計で10万基以上はあるとされる国指定史跡。寺僧・麓集落の墓地という説もあるようだが、西に向かって広がる眺望はまさに霊場そのもので、山自体も青龍山と呼称されている。普段は入れないところで、気候も予想より寒くなく、いいものを見せてもらった。企画に携わった方々・いろいろ疑問に答えていただいた方々。ありがとうございました。写真は石仏谷遺跡でシートがかかっているのが調査地で、それ以外の部分にも無数の石造物が転がっている。西側は観音寺方面。
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