wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

映画「一遍上人」

今週は阪急が鬼門のようで、今朝も線路内に人が立ち入ったとかで淡路でいつもの特急に間に合わず。幸い最終授業ということもあり印刷室が空いていたため、院生(水曜日の非常勤先は教員はコピーすらできず、プリントの印刷は印刷室にいる院生に頼むことになっている)がスムーズに対応してくれて事なきを得たが冷や汗もの。黒板とかぶっていて使えなかった画像データをもとに復習とまとめに充てたためPCを持参したのだが、午後の上映時間がちょうどよかったので、史料めくりはせずに表題の映画鑑賞にあてる(本当は「鬼に訊け」を見たかったのだが)http://www.kaerucafe.co.jp/ippenshonin/。誰もいないだろうと予想していたら、単館61席は年配の男女でほぼ満員。もともとさして期待はしていなかったのだが、思った以上の無内容。原作「一遍上人絵伝」で、熊野での神託・吉備津彦神主子息の妻の出家・佐久での踊り念仏・鎌倉入り・三島社などが描かれ四条京極で締めくくりになるのだが、福岡の市は飛ばされ、風俗は時代劇よりもお手軽な着物。病人の救済などの場面はあるのだが道すがらに転がされており、都市的情景は描かれず、何よりも一遍に付き従う非人・癩者の姿がまったく出てこない。どうもミュージシャンが踊り念仏に触発されて企画されたようなのだが、音楽をロックにするのはまだしも宗教的熱狂もみられず、何がしたかったのか意味不明。しかもエンディングテーマは法華宗に傾倒していた宮沢賢治雨ニモマケズ」をロック調にしたもの・・・。劇場は寒く、帰路に観客の話し声が聞こえなかったのも呆然としていたためのではないか。それにしても暑い。まだ体がなれていないせいもあって、朝方に何度も目が覚めるのがつらいところ。本日も史料めくりにいっても頭は全く回らなかっただろうというのが、せめてもの救い。