wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

展覧会

尼崎市立歴史博物館「尼崎紡績ー工都尼崎のはじまりー」

結局、東京行きは断念し、調べ物を兼ねて表題の展覧会へ。保存問題が取り沙汰されていた旧本社事務所が市所有になったことを記念した企画展。来週講義予定の内国勧業博覧会関係、1898年段階で従業員3492人のうち、10歳以下3人、11歳122人で、子どもが写り込…

明石市立博物館「柿本人麻呂と明石ー歌・信仰・文化ー」

引き続き自治体史の会議(刊行は2025年秋予定で、本文編のみ)の後に、同じ建物で開催しており観覧。中世には現明石城内に立地(嘉吉の乱がらみで人丸塚が登場)していた柿本神社・月照寺の所蔵品をメインとした展示。大和柿本寺から月照寺の前身の陽柳寺に…

神戸市立博物館「善福寺文書からみる秀吉と有馬」

本日、特展のための行列の整理員に常設だけということで入れてもらい観覧。戦国の写1点と豊臣期の文書5点が出品。宛所は「阿弥陀堂」が多くもともと蘭若院阿弥陀坊に伝来し明治維新後に引き継がれたものだとのこと。秀吉が姫路城普請(文書には地名は明記さ…

兵庫県立歴史博物館「HISTORY OF MUSEUM-れきはくの“これまで”と“これから”-」

本年三月で雇用はなくなったが、客員研究員としての関与は残り(会議出席時に報償費)、本日その序でに観覧。リニューアル(厳密には水漏れなどの外装工事)ということで、館の開設の経緯、代表的なコレクションの概要、これまで開催してきた展覧会のダイジ…

尼崎市立歴史博物館「尼崎を駆け抜けた戦国武将ー細川高国・三好長慶・佐々成政ー」

古文書・軍記・肖像など50点弱の展示。HP掲載のチラシに掲載されていない文書は、嘉吉元年十月十七日「管領細川持之奉書」(播磨国比池祈保に関するもので伏見宮旧蔵文書と思われる館蔵品)・年未詳「秀吉朱印状」(松茸贈答の返礼)で、本興寺・大覚寺文書…

いずみの国歴史館「『黒鳥文書』からみた中世社会」

本日は中百舌鳥1限・岡本4限。その合間を縫って表題の展覧会を観覧。20年以上前に近くで調査があったのだが、最初に所用で断ったまま、以後は呼ばれることなく、実見するのも初めて。リンク紹介にあるように、中世の在地文書(裏打補修はされているが、表装…

京都国立博物館「親鸞ー生涯と名宝ー」

引き続き徒歩で表題の展覧会へ(直接の交通手段がなく、かつてはタクシーを使ったこともあったが節約のため、それほど暑くなかったのが幸い)。こちらもそれほど混雑しているわけではなく(帰りに団体客に遭遇したが)、親鸞の生涯をオーソドックスにたどっ…

龍谷ミュージアム「真宗と聖徳太子」

本格的に講義もはじまりいろいろバタバタしているのだが、後述する所用もあり、前売りをネットで購入していたので、昨日阪急大宮駅から徒歩で向かう。親鸞誕生850周年にかこつけた展覧会。客はそこそこ入っていたが、単眼鏡で絵画資料を熟覧する余裕はあった…

大阪城天守閣「大坂城で暮らしたひとびと」

以前、全くノーマークで驚きの発見があったため、本日所用ついでに出かける。ただ今回はかの秀吉の「くちをすい」「ちちをすい」文書ぐらいで、同時並行で行われている「乱世が生み出したデザイン」とあわせて、それほど当方が目をひくものはなかった。出品…

奈良国立博物館「春日大社若宮国宝展」

先日たまたま知り、淀について報告することになったため、春日関係の写真帳を図書情報館に見に行かないといけないと思っていたこともあって本日観覧。圧巻は春日若宮大般若経厨子で、寛元元年十月に尼浄阿が600巻を書写して奉納し、あわせて所領を寄進したこ…

市立伊丹ミュージアム「信長と戦った武将、荒木村重展」

怒濤の二ヶ月から少し余裕ができ、本日午後に観覧。村重の登場(北河原森本氏所蔵文書などそれ以前のものもあり)、有岡城の発掘調査成果、文化人としての村重(家臣に観世流があり、村重が恩給した鳥養牧関連の文書が能楽研究所観世新九郎家文庫なるものに…

関西大学博物館「津田秀夫文庫を調査するー古文書の収集と保存」

本日は千里山2コマ。ふと表題の展覧会に立ち寄ったので紹介。近世の摂河泉研究で業績を遺した方なので、近世文書だろうと思っていたら、北野松梅院関係の中世文書も展示されていて驚き。展示されているのは4点と「住吉大社戸灯帳方神事勤役注進状」だが、ほ…

神戸市立博物館「よみがえる川崎美術館ー川崎正蔵が守り伝えた美への招待ー」

本日は自治体史の大般若経調査、運転も写真技術もないが当方担当地域ということもあってお供させていただく。目当てだった応永年紀奥書のもの1巻のみなかったが、100余巻の撮影をお手伝い。現在も転読儀礼で使われており、同じく室町ぐらいの仏画とセットと…

兵庫県立考古博物館「丹波焼誕生ーはじまりの謎を探るー」

本日は業務の研究会が午前・午後に連続。ということで歴史博物館が改修工事中のため利用させてもらっている会場の展覧会を観覧。六古窯の一つである丹波焼について、かつては播磨の須恵器生産から展開したと考えられていたのが、渥美焼・常滑焼の影響から13…

堺市博物館「堺と武将 三好一族の足跡」

京阪・JRを乗り継いで、博物館めぐりその4。まず驚いたのが「洛中洛外図屏風」歴博甲本で、原本ではなく復元複製が展示され、人物(道の行き倒れ人=HP上の表現)・町家(建築途中のものが2軒あり)・ウラの風景(かつて高橋康夫氏が注目。さまざまな井戸・…

京都国立博物館「京に生きる文化 茶の湯」

博物館めぐりその3。河原町丸太町からバスで七条まで下り出かける(交通費を30円ケチったのだが、京阪のほうが早かったか)。最初に「序章 茶の湯へのいざない」と唐物から近世までの茶器を並べ、喫茶文化との出会い・唐物賞翫と会所の茶・わび茶の誕生と町…

相国寺承天閣美術館「武家政権の軌跡ー権力者と寺」

博物館めぐりその2。8月に関連した第1期に続き第2期も。禅宗様の義満像、如拙の水墨画に、播磨出身の天隠龍沢の賛があり自筆を拝ませてもらう。そのほか元代の羅漢図・伝牧谿作など見所多し。前期に引き続き足利義嗣像もあり。 相国寺承天閣美術館 | 臨済宗…

高槻市しろあと歴史館「戦国武将 三好長慶ー生涯と人々」

本日は後期唯一の平日休講日。前期は水曜1限のみだったが、後期はそれも詰まってしまった。何しろ仕事をいただける時はもらっておかないといけない身で(来期は今のところ減る予定)、これを利用して博物館4館めぐりのその1。長慶にいたる三好歴代の肖像と文…

姫路市立美術館「杉本博司 本歌取りー日本文化の伝承と飛翔」

本日はルーティン姫路。昼休みに先週開催していることに気づいた表題の展覧会を観覧。メインは現代美術なのだが、その内容が過去の絵画・彫刻・墨跡にインスピレーションを得て創作するというもので、それを本歌取りと称しているらしい。そのため本歌とされ…

神奈川県立歴史博物館「源頼朝が愛した幻の大寺院 永福寺と鎌倉御家人」

昨日は東京に行き、朝一から国会図書館、午後は研究会に参加。中身を全く知らないまま確認した書籍に思わぬ新出史料があり、久しぶりにお話しできた方が多数という日になった。夜はそのまま宿泊し、本日表題の展覧会を観覧。鳥羽・平泉の延長線に位置づけら…

姫路文学館「没後10年 西山松之助展 ある文人歴史家と江戸学の軌跡」

本日はルーティン姫路。といっても先週は祝日と土曜振替勤務だったため、16日以来の職場。この間に地下の仮事務室から改修工事が終わったもとのスペースに引っ越し。荷造りしていた机まわりの書類などを戻し、スマホもつながるようになった。あわせて回覧書…

大阪城天守閣「戦国経済史序説」

その3。ネット情報は文書1点のみだったが、タイトルに惹かれ観覧。対外貿易・金銀の贈答・相場などに触れた古文書、鹿革・鮫皮(実際はエイ)・白熊毛(ヤク)・南蛮冑などの実物資料が展示。なお衝撃的だったのが「瀬戸内海・西海航海図屏風」で、解説によ…

大阪歴史博物館「新発見!なにわの考古学2022」

その2。鎌倉期の渡辺、瓦が出土していることから「別所」ともされるが、やや小ぶりに見えたのは気のせいか。なお石鍋・底に「月」と記された白磁なども展示。また圧巻は近世梅田墓で、蔵骨器の文字からから北組・曽根崎・福島など周辺の村々の死者が埋葬され…

四天王寺宝物館「金剛組ー四天王寺を支えた宮大工たちー」

本日は博物館めぐりで、その1(これまで一括して記していたが、別の記事とする)として観覧。一般に「世界最古の会社」といわれるが、唯一の史料的根拠といえるのが、筆から19世紀初め以降に成立したとされる系図(ただし展示は複製)。そこには四天王寺創建…

京都博物館3題

①京都国立博物館「河内長野の霊地 観心寺と金剛寺」 高校生まで育った街、ということで観ておこうと思った次第。客はコロナ以前の常設展よりガラガラで、じっくり鑑賞できた。ただチケット屋にも前売り券は流れておらず、宣伝にも力を入れていなかったよう。…

堺市博物館「人とモノが行き交う中世・堺ー流通の考古学ー」

本日は中百舌鳥1限。試験あわせてあと3週だったので、少しでも涼しいうちにと思い立って(といっても汗は結構かいたが)、20分ほど歩いて始まったばかりの表題の展覧会を観覧。第1章世界環濠都市と日明貿易では、15・16世紀の堺環濠都市遺跡出土の貿易陶磁・…

林原美術館「GOLDー永遠の輝きを探しにー」

昨日は岡山で研究報告。例によってZOOM配信だったが、当事者のみは会場へ出張。そういうわけで職場への招待券を利用して表題の展覧会を観覧。池田家伝来の美術品に加え、岡山城の金箔瓦なども展示。笑ったのは明治21年に島津の娘が婚礼の調度品としてもたら…

滋賀県立安土城考古博物館「戦国時代の近江・京都ー六角氏だってすごかったー」

GWは姫路が休館で休日休みになったため、ここまではカレンダー通り。3~5日で来週の研究会のレジュメにめどをつけたので(史料を並べただけだが)、本日は表題の展覧会を観覧。たくさんの中世文書をみることができ眼福、制札の1cmぐらいの横面に端裏的なもの…

尼崎市立博物館「ーまだまだ謎だらけーここまでわかった富松城ー」

映画がJR尼崎駅南だったので、そのまま自転車で南へ下り観覧。富松城に関わるいくつかの文献史料と近世絵図・近代地誌・発掘調査成果、あわせて保存運動の軌跡が紹介。中世文書の現物は県史中世一に寺岡文書として掲載されている二点(現在は寄託されている…

国立民族学博物館「焼畑ー佐々木高明の見た五木村、そして世界へ」

本日、次エントリーのついでに観覧。万博記念公園駅はそこそこの人出で案内標識も明確ではなく、迷いながらたどり着く。企画を知った段階で観ておく必要があるとは思いながら、予想通りの環境に調和した焼畑路線。五木村の現状、映像記録、再現された木おろ…