wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

丸川哲史『台湾ナショナリズム』

著者は歴史学者ではなく、台湾文学研究者ということもあり、個別の事件(霧社事件・2.28事件など)に深く切り込むことはない。むしろ本論が、第1章日本が見た台湾、第2章大陸中国が見た台湾、第3章東アジア冷戦/ポスト冷戦が見た台湾、第4章東アジア近代が…

5.29沖縄連帯・基地撤去住吉区民集会

たまたまビラが目に入り、タイミングがタイミングだったため近くの集会に参加してきた。数人の発言があり、そのあとは付近を30分程度のデモ行進。院生時代以来、久しぶりに参加した気がする。年齢構成は高かったが、100人以上は集まっておりそれなりの形には…

池谷和信編『日本列島の野生生物と人』

書店で二週スルーした上で購入したが大失敗。琉球大学出身ながら、「近い将来、やんばるに置かれた米軍の北部訓練場が沖縄へ返還される可能性も高まっている」などという大甘な認識のもと、上から目線で自身の調査成果はみられないにもかかわらず、「地域住…

岡部牧夫・荻野富士男・吉田裕編『中国侵略の証言者たち』

1956年に中華人民共和国で、日本人の戦犯裁判があった。このうち969名は敗戦時に「満洲国」に滞在していてソ連によりシベリア連行をうけ、1951年に中国に引き渡された者。140名は山西省に残留して中国国民党軍として戦い、共産党軍の捕虜となった者。そのな…

仕事に取りかかれず

関東では某学会。昨年のようなインフルエンザ休講がない限り、はなから行くのは難しいと思っていたためパスする。例年と比べて珍しい組み合わせになったようだが、内容・討論はどうなったのだろうか。それとともに気にかかるのが、某著作集第一巻が刊行され…

服部英雄著『峠の歴史学』

近年は日本中世史研究者による新書・概説書類をほとんど買わなくなってしまった。一部は頂けるようになったというのと、買って読んでも知識を得るというより失望するものが多くなったのが大きな理由だ。そういう事情で本書も出版時はスルーしており、某書に…

京都修学旅行事情

非常勤先と地下鉄の最寄り駅の間にお好み焼き屋がある。住宅街の一角によくある個人経営の店だと思うが、なぜか中学校名を記したタクシーが毎週止まっている。ちょうど昼時で修学旅行生が、乗りつけているのだ。どうしてその店が選ばれたのも全くの謎だ。隠…

橋本健二著『「格差」の戦後史』

戦後日本の階級構造を、資本家階級・新中間層・労働者階級・旧中間層に区分して、戦後の混乱期を経た1950年代の格差拡大、高度経済成長期の縮小、80年代の拡大の始まり、90年代以後の本格的拡大にわけて、それぞれの時代のトピックを入れながらまとめた本。8…

十五世紀生産革命論序説

先日頂いた論文のタイトル(御礼申し上げます)で、陶器産地の集中・大窯の成立・石塔生産工程の合理化・石鍋の消滅・大鋸による板材大量生産・私鋳銭量産などの指標から14世紀後半から15世紀において集約化・量産化を特徴とする生産様式の変革を見出した…

松方冬子著『オランダ風説書』

後期は一つ対外関係史のシラバスを書いたこともあり購入し、火・水の電車内で読了。近世の日蘭関係史をオランダ風説書の変遷から跡づけた通史で、研究書『オランダ風説書と近世日本』を下敷きにしているらしく、手際よく整理されている。貿易独占を図り他国…

冷泉家王朝の和歌守展

仕事終わりに京都文化博物館で開催中の冷泉家王朝の和歌守(「うたもり」と読ませている)展http://www.bunpaku.or.jp/exhi_reizei.htmlを見に行く。平日でしかも展示はほとんど典籍類だったにも関わらず、中高年の女性客でそこそこ混んでいた。とはいえほと…

大黒俊二『声と文字』

大変面白く読んだ。ローマ帝国解体からルネサンスまでの声と文字の関係について、非常によくわかった。カロリング・ルネサンスによるラテン語の揺り戻しと俗語との分離による二重言語体制の諸地域での具体像が示され、漢字と仮名との関係でも示唆的。11世紀…

中世畿内の流通構造

土・日は来春出版に向けての研究会で、自身を含めて9人が報告し、5世紀から近世まで色々と勉強になった。当方の構想は材木流通を素材に、京都周辺の集荷地と、大阪湾岸の中継都市の二重構造が成立しており、室町期にはすでに後者が自立しつつあるというも…

樺山紘一編著『新・現代歴史学の名著』

本日は9時半に耳鼻咽喉科に受付に行き、87分待ちといわれたため、自宅で朝昼食を済ませ、11時半前にようやく診察を受け、午後からの仕事に間に合った。表題書はゴールデンウィーク前から鞄に入っていたが、一時中断しており、残りは待合室で読了した。取り上…

ゴールデンウィーク総括

本日で休み終了。土日の研究会の報告準備はとりあえずでき、5月末の研究会の準備もある程度は進んだ。とはいえ6月末締切の原稿の準備は殆どできずじまいに終わった。なによりも4月末から続く喉の痛みが取れず、微熱が続いてなかなかやる気が出なかったこと…

眼鏡店完全閉店

ここ2代の眼鏡を購入していた店から完全閉店セールの葉書が届いていた。店主は自分より若く見え、思い切った決断なのだろう。この町で眼鏡店の閉店を経験するのは三軒目になる。メンテナンスのためにも近所にあって欲しいのだが、小売店の経営は非常に厳し…

ゴールデン・ウィーク突入

来週の金曜日の授業まで、まとまった休みになる。この業界では研究時間に充てるため、長期休暇中の研究会の設定は逆に避けられている。こちらは独り身のため、家族サービスの予定もなく、ひたすら家籠もり。ようやくこたつ・ストーブを片付けて、8・9日の…